2026/09/28

瓦からガルバリウム鋼板へ葺き替えると、屋根はどう変わる?瓦職人が説明します

「屋根が古くなってきたので、葺き替えを考えている」

そんなとき、選択肢の一つになるのが**ガルバリウム鋼板(GL鋼板)**です。

実際に貞瓦店でも、瓦からGL鋼板へ葺き替える工事があります。

ただ、屋根を葺き替えるからといって、必ず瓦からGL鋼板に替えた方がいいというわけではありません。

今回は、瓦職人の立場から、瓦からGL鋼板へ葺き替えると屋根がどう変わるのか、そして知っておいてほしいことについてお話しします。

瓦からGL鋼板へ替えるきっかけは?

瓦からGL鋼板へ葺き替える場合、雨漏りが発生したり、屋根が古くなったタイミングでご相談いただくことがあります。

その中でも、GL鋼板を選ばれる理由として多いのが、屋根を軽くしたいということです。

一方、カラーベストなどの化粧スレートからGL鋼板へ替える場合は、少し事情が違います。

屋根の傷みが進み、塗装では対応が難しい状態になった場合などに、カバー工法などを含めてGL鋼板を選ばれる方が多くいます。

同じGL鋼板への工事でも、現在の屋根材や屋根の状態によって、葺き替えを考えるきっかけは違います。

瓦からGL鋼板にすると、一番変わるのは「重さ」

瓦からGL鋼板へ葺き替える場合、私が考える大きなメリットは、屋根が軽くなることです。

古い瓦屋根には「土葺き」という工法で施工されているものがあります。

土葺きでは、瓦だけではなく屋根の上に土も載っているため、現在の工法と比べると屋根が重くなります。

GL鋼板に葺き替えることで、屋根そのものを軽くすることができます。

「地震のことを考えて、屋根を軽くしたい」

という理由から、GL鋼板への葺き替えを選ばれる方もいます。

ただし、「瓦=重い」と決めつける必要はありません

ここは、瓦屋根を長く見てきた職人として知っておいてほしいところです。

昔の土葺き工法の瓦屋根は確かに重いのですが、現在の瓦屋根は施工方法が変わっています。

現在の瓦屋根では、瓦を引っ掛けて固定する引掛け葺き工法が使われるようになり、昔の土葺きに比べて屋根を軽くすることができます。

さらに、瓦そのものも以前と比べて軽量化されています。

そのため、

「屋根を軽くしたい=必ずGL鋼板にしなければならない」

というわけではありません。

瓦から瓦へ葺き替える場合でも、現在の工法で施工することで、以前の屋根より軽くできる場合があります。

屋根をどうするかは、現在の屋根の状態や建物、これからの住まい方などを見ながら考えることが大切です。

GL鋼板にしたら、メンテナンスは必要ない?

これも、知っておいてほしいところです。

「GL鋼板に替えたから、もう何もしなくていい」

というわけではありません。

GL鋼板も屋根材ですから、定期的な点検やメンテナンスは必要です。

屋根材そのものだけではなく、棟や板金、雨水が集まる部分など、屋根全体の状態を確認していくことが大切です。

葺き替えた後も、長く屋根を使っていくためには、定期的に状態を確認しておくことをおすすめします。

瓦からGL鋼板にするとき、雨仕舞いにも注意します

GL鋼板へ葺き替えるとき、私が特に気を付けているのが雨仕舞いです。

特に下屋の壁際などは、瓦とGL鋼板では納まりが少し違います。

屋根材が変われば、壁との取り合いや板金の納まりも変わります。

屋根は、ただ新しい材料を載せればいいというものではありません。

「雨水をどう流して、どこから外へ出すのか」

を考えて施工する必要があります。

そのため、葺き替え工事では屋根材だけを見るのではなく、壁際などの細かな納まりまで確認して施工しています。

葺き替えは「何に替えるか」だけで決めない

瓦からGL鋼板への葺き替えには、屋根を軽くできるという大きなメリットがあります。

一方で、瓦から瓦へ葺き替えることで、現在の工法に合わせて屋根を見直すという選択肢もあります。

大切なのは、

「瓦だからダメ」
「GL鋼板だから安心」

と単純に決めてしまわないことです。

現在の屋根がどのような工法で施工されているのか。

どこが傷んでいるのか。

これから何年住む予定なのか。

そして、どのような屋根にしたいのか。

そうしたことを確認したうえで、屋根材や工法を選んでいくことが大切だと私は考えています。

貞瓦店では、葺き替えをご相談いただいた場合も、最初から「GL鋼板にしましょう」と決めるのではなく、今の屋根の状態を確認して、その家に合った方法を一緒に考えることを大切にしています。

「瓦のままがいいのか、GL鋼板にした方がいいのか分からない」という方も、まずは現在の屋根の状態を確認してみてください。

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