2026/07/28
瓦職人は屋根のどこを見ている?屋根を見たときに最初に確認するポイント

「屋根を見てもらいたいのですが、どこが悪いのか自分では分かりません」
屋根のご相談を受けるとき、よく聞く言葉です。
確かに、屋根は普段生活している場所からは見えにくく、屋根の上に上がって自分で確認することもなかなかできません。
では、私たち瓦職人は屋根を見に行ったとき、どこを見ているのでしょうか。
今回は、私が実際に屋根を見るときに確認しているポイントをお話しします。
最初に見るのは「屋根全体のライン」
私が屋根を見るとき、まず気にすることの一つが、屋根全体のラインです。
瓦を葺くときは、水糸という糸を張り、その糸に一枚一枚瓦を合わせながら葺いていきます。
瓦をきれいに並べていくためには、この水糸に合わせて葺いたラインがとても大切です。
そのため、屋根全体を見たときに瓦のラインがきれいに通っているか、どこか不自然に曲がっていないかを見ることがあります。
もし、屋根のラインに不自然なところがあれば、
「何か原因があるのかな?」
と考えます。
瓦がズレているのかもしれません。
下地に問題があるのかもしれません。
あるいは、以前に何か修理をした跡なのかもしれません。
屋根のラインを見ることで、屋根全体の状態を考えるきっかけになることがあります。
「誰が修理したのかな?」と思うこともあります
屋根を見ていると、ときどき、
「これは瓦職人ではない人が修理したのかな?」
と思うような仕事を見ることがあります。
もちろん、見ただけですべてが分かるわけではありません。
ただ、瓦には瓦本来の納まり方や、雨水を軒先まで流すための考え方があります。
一見するときれいに直っているように見えても、瓦職人の目で見ると、
「ここは少し気になるな」
と思うことがあります。
屋根は、ただ瓦を並べればいいというものではありません。
雨が降ったときに、雨水はどこを通り、どこへ流れていくのか。
長い年月、雨や風にさらされても大丈夫なのか。
そうしたことまで考えて施工する必要があります。
実は「思ったより悪くない」ことも多い
屋根の相談を受けて現場を見に行くと、私は「思っていたより悪くないな」と感じることが意外とあります。
お客様からすると
「屋根が危ないと言われた」
「このままだと雨漏りすると言われた」
「すぐに工事した方がいいと言われた」
ということで、不安になって相談に来られることがあります。
でも、実際に屋根を見てみると、そこまで大きな問題ではなかったり、必要な部分だけ修理すれば大丈夫だったりすることもあります。
もちろん、本当に危険な状態で、早急に工事が必要な屋根もあります。
だからこそ、私は実際に屋根を見て、その状態を確認することが大切だと思っています。
不安をあおられて、よく分からないまま工事を決めてしまうのではなく、まずは一度、落ち着いて屋根の状態を確認してみる。
それだけでも、安心につながるのではないでしょうか。
雨漏りしやすい場所は特に注意して見る
屋根を見るときには、もちろん瓦だけを見ているわけではありません。
私が特に気をつけて見る場所の一つが、
棟
隅棟
谷樋
です。
これらは、屋根の形状上、雨水が集まったり、複雑に納まっていたりする場所で、雨漏りにつながりやすいポイントです。
屋根の状態を確認するときは、こうした雨漏りしやすい場所を重点的に確認する必要があります。
屋根全体を見ながら、瓦の状態やラインを確認し、さらに雨漏りしやすい箇所を確認する。
そうやって屋根全体の状態を判断していきます。
屋根のことは、見た目だけでは分からない
屋根は、外から見ただけでは分からないことがたくさんあります。
瓦が少しズレているからといって、必ずしも屋根全体を葺き替える必要があるとは限りません。
逆に、見た目には問題がなさそうでも、雨漏りしやすい部分に問題が隠れていることもあります。
だからこそ、屋根のことで不安になったときは、まず屋根の状態を正しく知ることが大切です。
「屋根が悪いと言われたけれど、本当にそうなのかな?」
屋根の状態によっては、必ずしも葺き替えが必要とは限りません。
「屋根が古い」と言われて不安になっている方は、こちらの記事も参考にしてください。
「修理が必要なのか知りたい」
「どこを直せばいいのか分からない」
そんなときは、一度専門家に相談してみてください。
屋根は家を守る大切な場所です。
貞瓦店では、屋根全体の状態を見ながら、お客様にとって本当に必要な工事は何なのかを考えてご提案しています。
必要な工事を、必要なタイミングで。
それが、私が大切にしている考え方です。








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